【review】Pride and Prejudice/Jane Austen

wikipediaによると、17〜18世紀のイギリスが舞台らしい。
田舎に住むベネット一家には年頃の娘が5人もいるのに、財産は一家の主が亡くなったら彼女たちの従兄弟のコリンズ牧師に渡ることになっている。そのため母親は娘たちを少しでも良い男性と結婚させることに躍起になっていて、目的のためなら恥も恥と思わないような性格である。ちなみに父親は全くの無関心。
話は当然結婚についてになるのだが、主に聡明な次女エリザベスと、ベネット一家の近所に家を借りたビングリーの友人のダーシーの関係を軸に小説は進んでいく。
タイトルの通り、彼らは紆余曲折を経て、それぞれのプライドと偏見に気付き、お互いを知らず知らずのうちに高め合いながら同時に惹かれ合っていくことになり、無事二人が結婚してハッピーエンドになる。


ストーリー自体は大したことないんだけど、あれだけ嫌い合っていた二人の関係がどうやって好転するんだろう、末っ子のリディアの駆け落ち事件がどう二人に影響してくるんだろうと、先が読めるようで読めない、あらすじはわかっていても、とても緻密に描写されていて楽しめる本だった。
あまり深い意味は込められていない本だから、素直に楽しむことができた。
原書で読んでいてわからない単語はスルーしてたから、そのせいで楽しみが減ってしまったのが少し残念なところ。


ただ、あとがきの解説にもあったように、エリザベスが余りにも自立的なのが少し気にかかった。
ベネット家の財産は父ベネットが死んだら従兄弟が全て相続することになっているから、もしそのとき娘たちが結婚していなかったら、文字通り路頭に迷うことになる。だからこそ母親は躍起になっているのに、エリザベスとジェーン(長女)は全然焦る気配もないし、特にエリザベスはコリンズ牧師のプロポーズもばっさり切り捨ててしまう。これは、生活を選んでコリンズと最終的に結婚したシャーロットとは対極的だ。
最終的に二人ともいい結婚をするわけだけど、下に3人もいてそんな冷静になれるってすごい。私だったら絶対シャーロットパターンだ。


リスクを回避して無難な道をいくか、リスクをとっても我が道を進むか、その対象は変われどいつの時代でもこれは究極の選択なんだなぁ。