大きな政府と小さな政府。

先月からWSJエコノミストを読み始めた。


もっと世界で起こっていることに目を向けるためにインプットを増やすというのと、
そこから考えをめぐらすことで視野の広い人間になるというのが目的。



さて、先々週ぐらいのエコノミストに、大きな政府と小さな政府についての記事があった。
金融危機のせいで政府が肥大化を始めていることに対して警鐘を鳴らす記事。


日本は高齢化してきているし、小さな政府を目指すという選択肢はない。
そして、そのコストを賄うためには増税するしかないというのが友人の意見。
財政赤字も深刻だしね。


確か月曜のWSJの記事で、昨今ギリシャの財政状況が問題になっている関連で
主要各国の財政赤字をグラフにしているものが載っていたんだけど、
それを見ると、日本の赤字は異常。


群を抜いている。


ギリシャを始めとしたEU各国の財政状況とそれに対する世界の騒ぎ具合を見ていると不安になるけど、
フィナンシャルタイムズによると心配の必要はあまりないらしい。


そもそもの債務の量が多く捉えられがちだということに加えて日本は債務利払い率も低いし、
債務の95%は国内で保有されているので外国投資家による乱高下の心配もない。
未だに貯蓄率が高いので当分国債の買い手に困ることはないし、
それより景気対策とデフレ対策を何とかしたほうがいいんじゃないの?

と記事には書かれている。




確かに財政安定の面から見たら、
日本は安全なのかもしれない。


でも、赤字の財政を安定化しているのは私たち国民の財産。


何とかなるでしょ、と思っていても、
実は何も考えていなくても自分が身を削って何とかしているのだということを自覚しなくてはならない。



最初の話に戻って大きな政府か小さな政府かということもそう。


確かに人口が高齢化していく中で福祉を大幅に削るわけにはいかないし、
「いのちを守る」政治が行われている最中で今日本が向かっているアメリカ型の自己責任国家がいいとは思わない。


増税は、やらないといけないことかもしれない。


でも、歳出が減らせないなら歳入を増やせばいい、と余りにもシンプルに考えるのはどうなのだろうか。


友人の言っていることは、間違ってはいないと思う。
常識的に考えればそういう答えが出る。
でも、私はやっぱり、コミュニティの力とかソーシャルキャピタルを信じてみたいんだ、ということを彼と話していて感じた。


世の中を見るメガネ、フレームワークは必要。
でも、それは世界を見るメガネに過ぎないのであって、
そこから見えた世界をどうしていくかはそこに縛られなくてもいいと思う。


ただ、そうやって考えた案がメガネを通しても納得のいくものでないといけないというのが
私の考えの及ばないところ。


具体案を挙げて反論できないどころか、
コミュニタリアニズムについてすら満足いく説明ができなかった。


知っている気になってはいけない。
じっくり考えていかないと。



Financial Timesより
"Japan’s debt woes are overstated"
http://www.ft.com/cms/s/0/cb125274-14e3-11df-8f1d-00144feab49a.html?nclick_check=1