【review】この世でいちばん大事な「カネ」の話/西原理恵子

お金がないってどういうことなのか。
貧しいってどういうことなのか。


うわべだけの議論じゃなくて、お金にまつわる「汚い」現実を映し出した一冊。


西原氏は、貧しい国を旅するといつもする質問が3つあるそうだ。
「汁そば一杯いくらですか?」
「玉子一個、いくらですか?」
「人ひとり殺すと、いくらですか?」




私はなぜ開発を勉強しているんだろう、と考えてみた。


途上国のために何かしたい、というのが表向きだけど、


実際には、目を背けたい現実に無理やり目を向けようとしているのかもしれない。



私には日本での安全・安心な生活を捨てて、途上国で草の根運動をするような度胸も覚悟もない。


それは自分が一番よく知っている。



でも、小学生で日本以外の世界には想像したこともなかったような生活をしている子供たちがたくさんいるんだということを知って、
それに対して何もせずにいる自分がとても卑しく思えた。


ずるいと思った。



ぶっちゃけ、私がこんなに中途半端に開発経済学を学ぶことで世界が変わるなんて、みじんも思っていない。


でも、そうやって自分をどこかで正当化しないと、黒い影に覆われてしまいそうで怖い。



知らんぷりする卑怯な人間にはなりたくない。



だけど、それが果して自分の進むべき方向なのかはわからない。
普通に暮らして、たまに募金する。他の人の活動を応援する。
それだけでもいいなじゃないか。


いまさらこんなことで悩むなんてバカみたいだけど、
今まで本音から目をそらしてきたことに向き合わなきゃいけないときなのかもしれない。



ああ、この本読んでいたら色んな感情が湧き出てきて、
涙が出てきた。